- 管理組合の今期役員から、来期の理事就任を頼まれましたが、当該マンションの一室は、私の経営する会社が所有者となっていて、私が区分所有者(組合員)ではありません。また、私の子供が居住しています。それでも理事就任は可能でしょうか?
- 区分所有法上は、理事になれますが、当該マンションの管理規約に理事の資格を限定していれば、その定めに従う事になります。国交省作成のマンション標準管理規約第35条(役員)によれば、「理事および監事は組合員のうちから、総会で選任する」とあり、法人関係者(役員になる事が決められた役職員等が望ましい)も役員になる事ができます。
ただし、当該マンションが管理組合法人となっている場合は、理事は自然人に限られ、法人が理事に就任する事はできませんので注意が必要です。
実務上は、「理事及び監事は総会で選任する」として、標準管理規約35条2項に記載してある「組合員のうちから」という規定を外し、また「組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については、細則で定める」という条文を追加したうえで、質問者個人を理事に就任する方法も考えられ、実行されている組合もあるかと思います。しかしそこまでして、役員に就任したいかというと、正直稀なケースかと感じます。(残念ながら現場においては、マンション管理組合役員など手間と時間を取られて、正直煩わしい、出来ることなら避けたいと考える方が大多数です。)
ただ、少子高齢化社会というワードをメディアで報じられるようになってから、随分と月日が経つように思いますが、最近は身近なところで、その現実を垣間見る事が増えてきたように感じ、このような規約を定めて、理事の成り手不足を少しでも解消する方策を講じる方が良いかも知れません。
最近では、管理費会計に別途報酬を規定し、外部役員としてマンション管理士が組合の理事又は監事に就任するケースが増えてきていると感じます。時代背景や組合側のニーズに応えたマンション管理士が活躍する事で、良好な組合運営が期待出来るという事もマンション管理組合の選択肢のひとつかと思います。