法律上当然に共用部分となる場所で、建物の構造上、区分所有者全員の共用として使われる部分のことを言います。
具体的には廊下やエントランスホール、屋上、外壁などの部分を指しています。
【関連条文】
区分所有法4条(共用部分)
数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。
2 第1条に規定する建物の部分及び付属の建物は、規約により共用部分とすることができる。
この場合には、その旨を登記しなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
マンションは、数個の専有部分と共用部分(専有部分以外の部分)から成り立っており、条文のとおり、
1項は法定共用部分、2項は規約共用部分を定義しています。
そして規約共用部分はおもに、集会室、倉庫、管理人室などを指し、これらは規約に記載することで共用部分となります。
法定共用部分だの、規約共用部分だの、一部共用部分だの、定義や言い方がそれぞれあって非常にややこしい話で、とっつきにくいんですが、そう決まっているので理解するしかないのがつらいところです。。
共用部分の使用
第13条(共用部分の使用)
各共有者は、共用部分をその用法に従つて使用することができる。
区分所有者が共用部分を使用するには、共用部分の通常の用法に従う必要があります。
以下のとおり共用部分の性質や構造に反する使用をすることはできません。
- 廊下や階段を荷物置き場にする。
- エントランスホールで営業行為をする。
- 共用部分にソーラー式ライトやパラボラアンテナ、携帯電話基地局等を設置する。
規約共用部分については、規約に定められた用法に従って利用する必要があります。
もし、これらを変更したり、共用部分を第三者に賃貸したりしたい場合には、総会の決議や規約の改正をおこなわなければなりません。
共用部分から生ずる収益
第19条(共用部分の負担及び利益収取)
各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
駐車場使用料収入や、マンションの屋上を携帯電話会社に賃貸したことによる賃料収入等の収益について、いったん管理組合に帰属して組合の財産となり、総会決議でその使途を決定していくのが実務であるので、区分所有者にただちに分配されたりはしません。
判例においても「区分所有者に分配せず、管理費用への振替充当、次年度への繰越処理をすることができる」とされております。東京地裁平成3年5月29日判決