エレベーター
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大阪府北部で発生した震度6弱の地震により、エレベーター内に人が閉じ込められた件数が339件であったという記事を読みました。事故等には至らず、よかったと思いましたが、被害に遭った人は救出されるまで非常に不安な時間を過ごした事かと思います。

エレベーターの地震時管制運転装置の重要性

エレベーターに乗っているときに大きな地震が発生してしまった際、それが旧型のエレベーターで、「地震時管制運転装置」が装備されていないものであった場合、そのまま閉じ込められてしまう事になります。エレベーター会社の技術者が来て復旧をしてくれるのを待つしかありませんが、大規模な地震の場合は他にも閉じ込めが発生しているケースも多く、また作業員の人員も限られているため、すぐには救出されない状況に陥ります。

地震時管制運転装置は、一定以上の揺れを検知したり、P波(初期微動)を検知したとき、エレベーターが自動的に最寄り階で停止し、扉を開けてくれますが、停電に見舞われてしまった場合、エレベーターにバッテリーが搭載されていなければ、装置は働きません。火災も同時に発生してしまった場合を考えると昇降路内に煙が充満する可能性が高くなるので、非常に危険な状態に見舞われてしまいます。

マンション管理士の防災対策と提案

マンションや建物管理に関して、防災対策は、マンション管理士としての多岐にわたるコンサルティング業務の中のひとつですが、人命にかかわる部分なので、軽視することはできません。エレベーター改修工事にかかる費用や工事期間もそれなりにかかり、マンション管理組合や建物オーナーが容易に工事着手できない事も承知のうえで、いつもエレベーター改修工事の助言・提案をおこなっております。

エレベーター保守点検会社の点検報告書を読み、新耐震基準(地震時管制運転装置の義務付け等)を満たしていない、既存不適格のエレベーターであれば、是非とも改修工事あるいはエレベーターの全面または部分的なリニューアルをおこなって頂きたいと思います。