2018/3/26 発行の日経電子版記事を読みました。

国交省が定めた修繕積立金指針では、おおよそ月に㎡200円前後(マンション規模による)の積立金が必要になるとされています。

専有面積60㎡のマンションならば、管理費を除いた修繕積立金だけで12,000円が必要という事です。

この平米単価が新築売買時においては、マンション購買意欲を下げないように安く設定されがちであり、本来であれば早期に(管理組合設立後すぐにでも)長期修繕計画を管理組合で練り上げて、初期の段階から、毎年少しづつ値上げをし、将来必要になる修繕費を確保しておく必要があるのですが、その為の資金が、ほとんどのマンションにおいて国交省の基準から不足している、という事が書かれた記事です。

しかし、マンションを建築したゼネコンあるいは販売会社の子会社が、管理組合の委託を受けて、あるいは条件として、そのマンションの管理会社となるケースがほとんどであると思うのですが、この管理会社がしっかりと組合に助言をし、長期修繕計画を出し、いずれこのままでは、積立金が不足する、といった事が理事会や総会で提言されていたのか、と疑問を感じるところです。区分所有者にとってみれば、ゼネコンや販売会社の子会社あるいはグループ会社の管理会社がしっかりと管理してくれているのだし、積立金が足りないなどという問題は無い、心配無いという意識が働いてしまい、管理会社の方からも特に問題提起などされず、組合が管理会社に全てお任せにしていた結果なのか?と思います。

それとも管理会社はしっかり提案していたが、値上げは断固拒否したい組合が多かったのか、いずれにしても積立金が少ないまま、どんどん経年劣化を迎えていってしまう事の対策を講じなければならないと思います。同時に組合が主体的に維持修繕計画と積立金の推移を考えていかなければいけません。管理会社のサポート能力は、会社規模よりもフロント担当者の力量によるところが大きく、積極的に管理組合のサポートをするタイプのフロント担当者であれば良いのですが、注文通りに卒なく仕事をするタイプのフロント担当者は、注意が必要であると思っています。このタイプは、管理組合が積極的な管理運営に関する主体性を持っていないと、将来に渡って良好な組合運営が難しくなると思います。

これはやはり、輪番で仕方なく1年を過ごす理事役員に、その主体性を持つ事の難しさがあると考えており、管理のプロたるマンション管理士の領域拡大が重視されてくると思います。