消防庁のホームページに公表されている違反対象物を見ていて、自動火災報知設備の未設置が多いという印象です。
http://www.fdma.go.jp/publication/index.html
入居するテナントの業種が変わってから消防査察が入ったのか、昔は問題なかったけれど、現状は違反になるというケースがあるかも知れません。
マンションの消防査察
弊社が所有管理している都内の物件でも、小売テナントの売り場面積の変更により、収容人員の算定基準が変わってしまい、これまで防火管理者の選任が不要だった物件が、急遽選任しなければならないと査察で指摘されたことがあります。査察が入ったことで売り場の変更がわかったという訳です。
そのため管理物件が、複合用途防火対象物の16項イとなり、テナント部分で防火管理者を選任し、住居部分と共用部分でまた別の防火管理者を選任し、さらに統括防火管理者も選任しなければならなくなりました。
また、これまで指摘されていなかった自動火災報知設備の設置も同時に指摘されました。
この指摘はかなり大事で、専有部内の報知機設置工事を伴うため、入居者さんの立会いが必要となり、時間も手間も費用もかかり、そう簡単にクリアできません。しかし、クリアしなければ違反対象物として公表されてしまうという訳です。消防署には改修の意思表示を示すとともに、時間的猶予を頂きながら、なんとか是正できました。
ただ、消防設備点検報告書を毎年、消防署に提出しなければならなくなりました。
共同住宅の5項ロであれば、3年に1回の消防署提出ですが、16項イは断然重たい基準です。
例外はあるのか?
他管轄エリアの消防署で、同規模・同内容の建物で指摘されていないのは、なぜかと思い問合せしてみたところ、「特例により免除されている」という回答がありました。ただ、「今後の査察等で見直しをする場合がある」とも言っており、収益物件として考えるならば、突然指摘されてしまう事のリスクがあると思いました。購入前の事前調査が大事になってきます。
消防コンサルティング
結論としては、消防指摘がまだ無い段階でも、消防に関する見直しや調査はおこなった方が良く、安心・安全への取り組みを物件オーナーとして実施して頂きたく思います。また、その為のお手伝いをさせて頂ければと思います。
具体的には、直近実施済みの消防設備点検報告書を確認しながら物件の現地調査をおこない、入居する店舗などがあれば業態のチェックをし、消防署へのヒアリング等の確認作業を実施するといった流れになるかと思います。